空調システムやコージェネレーションシステム、非常用発電システムなどの研究・開発、製造、販売、メンテナンスを手がけるヤンマーエネルギーシステム株式会社では、2020年からCHECKROIDを導入しています。また、SCSK北海道とOEM契約を結び、CHECKROIDを自社向けにカスタマイズした「CHECK BOARD」を提供中です。自社内の業務効率改善だけではなく、お客様向けのサービスとしてCHECKROIDを活用するという珍しい事例です。
空調システムやコージェネレーションシステム、非常用発電システムなどの研究・開発、製造、販売、メンテナンスを手がけるヤンマーエネルギーシステム株式会社では、2020年からCHECKROIDを導入しています。また、SCSK北海道とOEM契約を結び、CHECKROIDを自社向けにカスタマイズした「CHECK BOARD」を提供中です。自社内の業務効率改善だけではなく、お客様向けのサービスとしてCHECKROIDを活用するという珍しい事例です。
>プロフィール(写真向かって右から)
カスタマーサポート部 企画部 部長 西川 禎昭 様
カスタマーサポート部 企画部 企画グループ 課長 村田 文也 様
カスタマーサポート部 企画部 企画グループ 専任課長 三塚 伸太郎 様
経営企画部 デジタル推進部 デジタルデザイングループ 木村 拓哉 様
–CHECKROIDは、主にどのような業務に使用されていますか?
西川さん
西川 主に現地においてのメンテナンス業務です。自社製品発電システムや空調システムの点検報告書の作成や、運転データの記録などに使用しています。
–CHECKROID導入前に抱えていた課題について教えてください。
西川 数年前、サービススタッフのエンゲージメント調査を実施したところ、満足のいかない結果が出ました。
これまで、点検報告書は手書きで記入し事務所に帰ってから清書をしていました。エンゲージメントが低い要因のひとつとして、メンテナンス業務に付随する事務作業に多くの時間を要していたことがあると考えています。
これを受け、働き方を改善する一つの手段として、DX推進に取り組むことになりました。 また、社会全体としてデータの改ざんが課題となっている背景もあり、業務効率化だけではなく、そのコンプライアンス対応策としても、DXが有効と考えます。
–CHECKROIDはどのような経緯で知ったのでしょうか。
西川 2017年から、DX推進のツールを探すために、東京や大阪などで開催されているIT関連の展示会に通い、3年ほどさまざまなツールの話を聞いて検討していました。話を聞いては検討するということを繰り返し、2020年にコンペを行う段階で、3社に絞ったなかにSCSK北海道も含まれていました。そこで、CHECKROIDの決定に至りました。
–決定までに3年をかけたのはどのような理由があったのでしょうか。
西川 さまざまなツールを国内外問わず検討しましたが、一番のポイントは「オフラインで使えるか」というところでした。他社のツールは、オンラインでないと使えないものが多く、弊社の業務上、オフライン環境下での作業も多いため、オフラインで使えるということは重要でした。
また、工程管理や写真記録、QRコード対応など、あらゆる要件に満たしていたのがCHECKROIDでした。 さらに、決定に至った大きな要因は、現行の帳票デザインをそのまま使えるということです。システムを変更すると帳票デザインが変わってしまい、作業効率が落ちてしまう懸念がありましたが、CHECKROIDはそのままのデザインで移管することが可能でした。
–現在、SCSK北海道とヤンマーエネルギーシステム様でOEM契約を結び、CHECKROIDを自社向けにカスタマイズしたものを「CHECK BOARD」という名称で提供されています。これは、CHECKROID導入時から視野に入っていたのでしょうか。
西川 2020年にCHECKROID導入の取り組みを始めた頃から、計画していました。我々が使っている便利なものを、顧客・協業先にも提供していく「コト売り」のビジネスモデルを模索していました。社内で使用しているものを、顧客・協業先にも活用いただくことで、新たな価値を生み出せるのではないかという考えです。その一環でCHECKROIDを自社ブランド「CHECK BOARD」として、協業先に提案しています。
–これは、SCSK北海道としても前例のない取り組みです。
西川 現在、DXを考えている顧客・協業先などに「私たちはこういうものを使っています」と提案しているところです。やはり、プラント管理の課題感は共通しています。なので、私たちが体験したことを共有することで、導入効果を実感していただけると思います。
–実際にCHECKROIDを使ってみてどのように感じていますか。
村田さん
村田 スマートフォンやタブレット、パソコンなど幅広い端末で使える汎用性の高さがひとつの大きなポイントだと感じています。また、写真が扱えるというのもポイントですね。現場で不具合があったときに、撮影した写真を添付して、異常箇所に印を付けられる機能は、各拠点で高評価です。
また、帳票デザインを任意に変更できることが大きなポイントだと思います。帳票変更は自分たちでも行えるのですが、現在はSCSK北海道へ運用支援を依頼しているため、変更に関してもSCSK北海道に依頼しています。
–業務効率の改善などの成果はありましたか。
三塚さん
三塚 弊社支店から、業務改善にとても大きく寄与しているという声が上がっています。具体的には、現場で全て完結できるようになったことが大きいです。これまでは、作業終了後に協力店の方々が事務所に戻って報告書を清書する工程が必須でしたが、それがなくなったことは大きな成果でした。
また、報告書をFAXやEメール、郵送などで送る手間や輸送費などもCHECKROIDを導入したことで不要になったため、業務上の工数削減に加え、費用面の削減にもつながっています。
–費用面の削減はかなり大きな成果だったのでしょうか。
三塚 はい。弊社が扱っている空調機などの台数は膨大なため、その数だけ報告書が上がってきます。それら全てが改善の対象でしたので、非常に大きな効果になっています。
–システム担当者の視点から見て、CHECKROIDという製品はどのように感じていますか。
木村さん
木村 元々アナログで運用していましたが、そのフローを変えずにデジタル化できるところが非常に大きな利点だと思います。やはり、現場では慣れているものを使い続けたいという気持ちが強くあります。従来の帳票を活かしつつ、変更したい部分は反映できるというカスタマイズ性が、利便性の高さにつながっていると思います。
–工数削減で業務が効率化されたことによって、何か新しい価値が生まれていますか。
西川 現在、コンタクトセンターでは、コールセンターやインサイドセールス業務に加え、アポイント代行も行っています。これまでは、拠点担当者がメンテナンスのアポイントを取るか、または、協力店がお客様へアポイントを取って日程調整をしていました。現在、一部をコンタクトセンターでアポイントを取るというトライアルを始めています。今後、CHECKROIDを連携することで、さらなる業務効率化を目指せると考えています。
将来的には、アポイント業務をすべてコンタクトセンターに集約する事で、さらに各拠点および協力店の業務改善が期待できます。
–CHECKROIDの導入により、業務のDXがかなり進んだという印象ですが、今後の展望についてお聞かせください。
西川 我々の部署はDXを積極的に推進している状況です。今後は、ヤンマーグループ全体にこの流れを浸透させていきたいですね。
あと、現場での危険予知活動シートや、工事現場での電子看板機能などを搭載していくことで、CHECKROIDの活用範囲が広がります。現場の課題を解決することで、活用の可能性が大きく広がると考えています。
–SCSK北海道へは改善要望などを伝えていますか。
三塚 定期的な打ち合わせの中で、SCSK北海道の担当者様には、さまざまな要望を伝えています。そのなかで、優先順位を決めて効果が高いものから機能の追加や改善をいただいています。「何でも言ってください」と仰っていただけるので、とてもありがたいですね。言いたい放題言っています(笑)。
–CHECKROIDは、どのような業界、業種に向いていると思われますか。
西川 管理業務が発生する業界全般にマッチするのではないでしょうか。倉庫や工場はもちろん、農業などでも電子帳票の導入に意欲的な農家や企業もあります。もっと言えば、八百屋さんまで繋がれば便利に使えるはずです。商品にQRコードを付けて在庫管理をするといった使い方をすれば、業務効率がアップできるかもしれません。